開催報告 【2025年6月27日(金)】シンポジウム「日本のスタートアップ投資の歴史解明 ―草分けVCの道程を辿りながら―」
当研究センターでは、6月27日(金)に、シンポジウム「日本のスタートアップ投資の歴史解明 ―草分けVCの道程を辿りながら―」を対面(会場:市ケ谷キャンパス ボアソナード・タワー26階 スカイホール)で開催し、68名が参加しました。
今や世界経済にとって、スタートアップ支援が重要政策になっています。投資を行うベンチャーキャピタル(VC)が脚光を浴びているなか、日本のVCの歴史はあまり知られていません。米国で1946年に設立された世界初のVCである、American Research & Development(ARD)を経済同友会が視察した後、日本への移植が試みられましたが、中小企業政策や証券市場の状況が米国とは異なり、VCのスタートアップ支援には紆余曲折が見られました。本シンポジウムは、黎明期の金融系VCの活動、そして独立系VCの登場、さらにスタートアップが飛躍すべき株式市場が整備され、ベンチャーファイナンス市場が活発化するに至った、50年の試行錯誤の歴史を解き明かすことを目的として開催し、独立系VCとして草分け的存在である、日本テクノロジーベンチャーパートナーズ(NTVP)の創業者である村口和孝氏をお迎えし、その道程を辿りつつ、日本のVCによる日本のスタートアップ支援や投資スタンスの重要課題を議論しました。
当日は、司会も務めた田路則子教授(経営学部)の開催挨拶に続き、五十嵐伸吾名誉教授(九州大学、イノベーション・マネジメント研究センター客員研究員)が「日本のベンチャー・キャピタルの黎明期」(Part 1)、田路則子教授と飛田努准教授(福岡大学商学部)が「黎明期における北海道JAFCO時代の投資判断」(Part 2)、清水薫准教授(米国ピッツバーグ大学国際公共政策大学院)が「日本のベンチャー・ファイナンスの変革期 ―個人主体のVC設立―」(Part 3)、田路則子教授と飛田努准教授が「ハンズオン型VCの立ち上げと投資判断」(Part 4)で報告を行い、各報告後には、村口和孝氏(日本テクノロジーベンチャーパートナーズ(NTVP) 代表)との対談・鼎談が行われました。また、パネルディスカッション「日本のVCの形成プロセス ―日本のVCの現在の立ち位置と課題―」では、中垣徹二郎氏(Theta Times Ventures, General Partner)も加わり、パネリストによる活発なディスカッションが行われました。
※プログラム等はこちらをご参照ください。

田路則子教授

村口和孝氏

五十嵐伸吾名誉教授

飛田努准教授

清水薫准教授

中垣徹二郎氏

対談・鼎談の様子

パネルディスカッション