刊行 法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書28『破壊的イノベーションのプロセス ―PC-98帝国の興隆と衰亡―』
イノベーション・マネジメント研究センターでは、法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書28『破壊的イノベーションのプロセス ―PC-98帝国の興隆と衰亡―』を刊行しました。本書は書店等で販売されていますので、ぜひご一読ください。
『破壊的イノベーションのプロセス ―PC-98帝国の興隆と衰亡―』
1990年代以降、日本の主要産業においてかつて世界市場を席巻したリーディングカンパニーの多くが、急速にその競争力を喪失した。特に、日本のPC産業において一時代を築いたNECのPC-98シリーズの急速な衰退は、この競争力低下の先駆けであり、象徴的な事例のひとつである。同事例は、規格間競争やプラットフォーム転換、モジュラー化などの観点から、これまでも数多くの研究で取り上げられてきたが、その変遷の複雑性と既存企業の没落の非線形性が際立っており、技術面での変化だけに原因を求める議論では捉えきれていない。
本書では、このNECの競争力低下について、「技術そのものの変化」軸でのモジュラー化および支配的プラットフォームの登場・転換と、「顧客/市場との関係性の変化」軸での分断的イノベーションという2軸の変化が同時かつ複合的に生じる《分断的モジュラー化》および《破壊的イノベーション》という概念枠組みに沿って分析することで、その根源的な原因を追究する。また本書のもうひとつの特徴は、《戦史としての経営史》という点にある。戦いのプロセスそのものを分析対象に、企業間の応酬や具体的な打ち手の連鎖から何が見えてくるか、企業間の競争という相互のダイナミクスを、具体的な攻防のプロセスとして丹念に追い、分析する。
日本企業の競争力低下は、PCに限らず、液晶テレビやDVD、携帯電話/スマホ等でも見られてきた。本書の分析・検討から導かれる競争力低下の本質や、今後の再生に向けた理論的かつ実践的な処方箋は、同様な環境下で日本企業が同じ轍を踏まず、進むべき道を見出す助けとなるだろう。
近能善範[著]
定価:本体3,636円+税 出版社:白桃書房
A5判上製 404頁 発行日:2026年3月26日
ISBN:978-4-561-26810-9


