開催報告 【2024年3月27日(水)】国際シンポジウム「『南イタリアの食とテリトーリオ ―農業が社会を変える―』発刊記念」
当研究センターでは、3月27日(水)に、国際シンポジウム「『南イタリアの食とテリトーリオ ―農業が社会を変える―』発刊記念」を対面とオンラインによるハイフレックス方式で開催し、対面(市ケ谷キャンパス ボアソナード・タワー26階 スカイホール)による参加者が56名、オンライン(YouTube Live)のユニーク視聴者数*が113名と、多くの方にご参加・ご視聴いただきました(協力:法政大学エコ地域デザイン研究センター)。
本書は、2022年3月に刊行された『イタリアのテリトーリオ戦略 ―甦る都市と農村の交流―』(白桃書房)が切り拓いた領域をさらに多角的に深く掘り下げて論じることを目的として刊行されました。<テリトーリオ>と<食>からみた今のイタリアの新たな動き、息吹をヴィヴィッドに伝えるべく、具体的なフィールド調査の成果、面白さを前面に押し出す方針のもと、イタリアの田園のなかの小さな町、農業ゾーンにおいて、テリトーリオの自然資源を存分に活かし、歴史・伝統のもつ価値を最大限尊重しながら生産活動に意欲を持って取り組む人々へのインタビューを通して、現地の生の声を伝えようと試みています。本書が日本の各地で地域再生に取り組んでいる皆様へ、心からの応援のメッセージとして届くことを願っています。
当日は、木村純子教授(経営学部)の開会挨拶と陣内秀信特任教授(法政大学江戸東京研究センター、同エコ地域デザイン研究センター)による解題に続き、Part1「南イタリアの魅力:事例編」では、陣内秀信特任教授が「アマルフィ総論と個別事例紹介」、中橋恵氏(インディペンデント・リサーチャー)が「カゼルタ・エリア総論と個別事例紹介」と題して講演を行いました。Part2「イタリアの食とテリトーリオ」では、陣内秀信特任教授が「カンパニア調査から導かれるパラダイム転換のシナリオ」、録画による参加となった、アンドレア・マレスコッティ准教授(フィレンツェ大学経済管理学部)が「多機能性、地域資源、サービスによる新たな農業振興」をテーマに講演を行いました。引き続き、木村純子教授が「テリトーリオに根ざした農業による豊かな社会の実現」、竹澤由美氏(ア・カーザ・デイ・ノンニ経営)が「ラヴェッロと私」、稲益祐太准教授(東海大学建築都市学部)が「マッセリアの再生に見るプーリアの田園」、須田文明氏(農林水産省農林水産政策研究所主任研究官)が「テリトーリオへの帰還:イタリアにおけるコモン(ズ)としての都市農園」についてそれぞれ講演を行い、Part3「トークセッション」では、講演者による活発なディスカッションが行われました。
*IPアドレスを元に計測される視聴者数。使用デバイスや視聴回数に関係なく、視聴者は1人のユニーク視聴としてカウントされる。
※プログラム等はこちらをご参照ください。
※当日の模様をYouTubeで公開しています。
国際シンポジウム「『南イタリアの食とテリトーリオ ―農業が社会を変える―』発刊記念」